セレブロ認知症ラボ

~ 認知症は予防できる?ー研究者が語る認知症 ~

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論文解説

脳の老化と神経変性疾患を予防する「酸棗仁」の力 第三部:多機能な「酸棗仁」パウダー:神経変性疾患と脳の若返り

酸棗仁シンプルクラッシュパウダーの驚くべき効果は、アルツハイマー病モデルマウスにとどまりませんでした。

  • パーキンソン病モデルマウス:パーキンソン病の原因とされるαシヌクレインの病理を改善し、低下していた運動機能を健常なマウスと同じレベルにまで回復させました。
  • 脳の若返り効果:病気ではない通常の高齢マウスに酸棗仁パウダーを投与したところ、低下していた認知機能が若齢マウスと同等のレベルまで回復しました。この効果は、脳内のDNA酸化細胞老化のマーカーを減少させ、若齢マウスに近いレベルに戻すことに関連していました。

また、本研究では、酸棗仁の主要な有効成分とされているジュジュボシドA、ジュジュボシドB、およびスピノシンの含有量を分析しました。意外なことに、強い効果を示したシンプルクラッシュパウダーは、熱水抽出物よりもこれらの成分の含有量が少ないことが判明しました。さらに、これらの成分を熱水抽出物と同量に混ぜてマウスに投与しても、熱水抽出物単体よりも弱い効果しか得られませんでした。

このことから、酸棗仁には、これら3つの主要成分以外にも、まだ特定されていない有効成分が存在し、それらの成分が熱水抽出の過程で失われてしまう可能性が示唆されました。また、酸棗仁パウダーの抗DNA酸化作用は、直接的なフリーラジカルの除去によるものではなく、食物繊維が腸内環境を改善することで、間接的に脳機能に影響を与えている可能性も考えられています。

結論として、今回の研究は、酸棗仁シンプルクラッシュパウダーが、神経変性疾患の予防と脳の老化防止に対して、非常に有望な食品素材であることを示しています。しかし、マウスモデルでの研究であることや、シンプルクラッシュという新しい加工方法での長期的な安全性は、今後ヒトでの臨床研究を通じて確認していく必要があります。